【updraft×コラソン千葉FC】選手どうしのコミュニケーションが増え、チーム力につながった

updraftでは、2021年6月よりコラソン千葉FCのU-15カテゴリー(中学3年生)に向けて、キャリア・チームビルディングトレーニングを提供しています。今回、コラソン千葉フットボールクラブ代表理事を務める富澤翔太コーチ、U-15カテゴリーを指導されている松澤誉コーチのお二人に選手を指導される上で大切にされていること、updraftのトレーニング導入後の選手たちの変化、今後目指されていることについて、話を伺いました。


updraft キャリアトレーニングについて
アスリートキャリアトレーニング事業「updraft」(https://updraft-sports.jp/)において、早期に自主自律型人材を育成することを目指し、小学生〜大学生年代向けにキャリアトレーニングを実施。同クラブでは、サッカーを通じて、選手自身が自分の意思を育み、自分の言葉でコミュニケーションをとれる人材になってほしいという願いをこめて、キャリアトレーニング・チームビルディングトレーニングを実施しています。

※1:行動変革を促進し、人と組織の力を引き出すことを目的に開発された心理アセスメント。スポーツ庁委託事業「アスリートキャリアコーディネーター育成プログラム」に採用された。updraft(TOiRO)と事業提携し、キャリアトレーニングツールとして今注目を集めている。

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Profile

NPO法人コラソン千葉スポーツクラブ 代表理事
スポーツファシリティ株式会社 代表取締役
富澤 翔太(写真左)

ジェフユナイテッド市原JY辰巳台(現ジェフユナイテッド市原・千葉)出身。千葉経済大学付属高等学校に進学し、サッカー部に所属。大学ではサッカースクールのコーチをしながら、高校のOBで社会人チームコラソントップチームを立ち上げ、2012年からはコラソン千葉スポーツクラブ立ち上げメンバーの1人として、クラブ運営全般に携わってきた。現在はスポーツイベントの企画・運営事業を主軸としたスポーツファシリティ株式会社の代表を務める傍ら、コラソン千葉スポーツクラブの代表理事を兼任し、クラブ運営に携わっている。

コラソン千葉フットボールクラブ
U-15 コーチ
松澤 誉(写真右)

ジェフユナイテッド市原JY舞浜(現ジェフユナイテッド市原・千葉)出身。敬愛学園高等学校に進学し、サッカー部に所属。大学は明海大学へ進学し体育会サッカー部に所属。大学在学中に、千葉県大学選抜、都県大学選抜に選出、2008年、2009年と2年連続で千葉県大学サッカーリーグ得点王に輝く実績を残した。2010年に同大学サッカー部にて指導者としてのキャリアをスタートし、2016年にコラソン千葉FCのコーチに就任。コラソン千葉FCコーチ就任5年目となる2021年、クラブ史上初となるU15県リーグ1部昇格を実現。


地域の子どもたちに向けたサッカークラブをつくりたい

本日はお忙しい中、お時間をいただきありがとうございます!まずはじめに、コラソン千葉FCが誕生した背景とこれまでについてお伺いできますでしょうか。

富澤さん:2008年に私が高校のOBたちと立ち上げた社会人チーム「コラソントップチーム」が今のコラソン千葉FC立ち上げのきっかけとなりました。

社会人チームとして活動していくなかで、ある年に千葉県の大会で優勝し、関東大会、全国大会に出場する機会がありました。チームのメンバーと長期間過ごすなかで、地域の子どもたちに向けたサッカークラブ、アカデミーをつくりたいねという話になり、2012年にスクールとクラブを立ち上げました。中学生年代のジュニアユースのカテゴリーは来年、2022年で10年目を迎えます。

立ち上げ後はアカデミーの方が忙しくなったこともあり、社会人チームは休止していた時期もあったのですが、一昨年2019年に再開しました。クラブ1期生も今では大学3年生になり、社会人チームに参加してくれているのは嬉しいですね。

クラブ卒業後も子どもたちが帰ってこれる場所でありたい

クラブとして、これが特徴というものはありますか?

松澤さん:選手に関しては、ありがたいことに他チームの方々から「コラソンの選手はよく頑張るよね」という言葉をいただくことが多いです。確かに、ハードワークができる、真面目で努力家な子たちが集まってきてくれていると思います。

富澤さん:クラブとしては、自分たちのグラウンドを持っているのは特徴のひとつだと思います。ここは元々畑だったのですが、農地転用から始まり、井戸水や照明設備、クラブハウスの製作、そして人工芝化、たくさんの方々のご協力を頂いて作ることができました。

クラブ卒業後に子どもたちが帰ってこれる場所をつくりたいという想いでチーム専用のグラウンドを持つことが実現し、社会人チームを続けているのもそういった想いからです。

また、クラブを運営する目的のひとつとして、サッカー界全体の育成年代の整備・発展をミッションに掲げています。そこに共感して集まってくれたスタッフたちなので、他のクラブチームと比較してもバイタリティや行動力があると思います。

コラソン千葉FCグラウンド

選手一人ひとりの個性、目標に合わせたコミュニケーションを心がけてきた

選手たちを指導されるうえで、大事にされていることを教えてください。

富澤さん:組織でやっていますが、子どもたちには一人ひとりの人生があるので、トップダウンのようにみんなに対して同じことを強いるというのはしたくないというのはスタッフ感で共通している考え方ですね。それぞれの個性やキャラクターを大事にしてあげたいと思い関わっています。

松澤さん:そうですね。選手一人ひとりの個性に応じて、変えられるところは変えてアプローチし、チームとして譲れないところはバシッと伝えるようにしています。選手のサッカーへのモチベーションや目指す目標の高さによって何を話すか、どこまで求めるかいつも考えながら関わっています。

今年はU-13、U-15ともに一部に昇格され、華々しい結果を残すことができたかと思うのですが、意識して指導されていたことはありますか?

松澤さん:正直なところ、特別なことはやっていません。今回の結果はこれまでの積み重ねで去年よりもよくしようとしてきたことが結果に繋がったのだと考えています。これまでクラブに関わり、築き上げてきてくれたOBを含めたスタッフ、選手全員が本当によく頑張ってくれました。

自分の意思をもち、周りとコミュニケーションをとれるようになってほしい

選手たちに、こんな風に育って欲しいという想いはありますか?

富澤さん:サッカーに限らず、自分の意思を持って、周りとコミュニケーションをとれるようになってほしいと考えています。入ってきた段階では喋れない子やクラブにいる大人とコミュニケーションをとれない子が多いです。人と話すことができれば、人生は大概うまくいくと考えています。

松澤さん:そうですね。最初は自己主張があまり得意ではなく、大人しい子が多いですが、サッカーを通してみんな少しずつ明るく元気に育っていくように思います。後は、楽しいことも苦しいことも一生懸命やれる人間に育って欲しいですね。週末に遠征に出たり、活動量は多い中で勉強との両立も求めているので大変だとは思うのですが、全力を出してやりきって欲しいと伝えています。

チームの外の世界でも、自分の言葉で伝えられるようになれる成長の機会を提供したい

2021年6月からupdraftのキャリアトレーニングを導入いただいているのですが、導入しようと決断に至ったのはどのような理由からだったのでしょうか。

富澤さん:これまで選手たちが自分の意思を持って、周りとコミュニケーションをとっていけるように意識してきっかけを与えてきたことで、コーチや仲間とはコミュニケーションを取れるように成長してきました。

さらにひとつ上のレベルとして、チーム以外の第三者の方や、初めて会う人と関係性づくりをしていけること、「自分はこういう風になりたいんだ」と自分の言葉で伝えられるようになることは子どもたちの人生にとって大事なことだと考えていたときにupdraftのキャリアトレーニングのことを知り、自分たちが足りていないところにアプローチできるちょうどいいコンテンツだと思いました。

松澤さん:子どもたちは見ず知らずの大人と接することがほとんどなく、さらに初めて会う大人と真剣に話をするような機会はなかなかクラブでもつくれるものではありません。そういった場があるだけでも、子どもたちの成長のきっかけになるので、導入してみたいという気持ちになりました。実際に、学校では教えてもらえないことをやってもらっていて、子どもたちにとって、いい機会になっていると思います。

第1回キャリアトレーニングの様子

頭の整理ができたことがサッカー、コミュニケーションへの積極的な姿勢につながった

updraftの支援がスタートし、チームに変化はありましたか?

松澤さん:色々なトレーニングをやっていただいている中で、どのトレーニングも共通して、どうやって頭の整理をするかにつながっていると思っています。そのおかげもあり、選手たちの試合前、試合中、試合後にサッカーの会話が格段に増え、チーム力につながっていると感じています。

これまでも一人ひとりサッカーについて考えていなかったというわけではなく、何を話せばいいのか、どう話したら伝わるのか、それが分からなくて積極的なコミュニケーションにつながらなかったのかな、と選手たちの変化を見て思いました。

富澤さん:頭の中が整理されて、自分の考えに自信がついたのかもしれないですね。トレーニングで扱っていただいている内容も自分の特性についてや、進路選択、将来のキャリアについて必要な考え方など、自分の人生に関わる一番興味があることなので、彼らの中にもすっとはいっていくのではないかなと思います。

私はクラブ全体をみているので他の学年とも関わる機会があるのですが、キャリアトレーニングを受講しているU-15の子達とは1対1で話していても、言っていることが分からない子や何も意思がないという子はいないですね。

第3回キャリアトレーニングの様子

去年よりも今年、今年よりも来年、1つずつ成長を積み重ねて行く

最後に、今後お二人が目指していることについて教えてください。

富澤さん:チームとしては、引き続きひとつひとつ積み重ねてリーグのステージをあげて行くことを目指していきます。

クラブ立ち上げの当初は大きな目標を掲げた方がいいと周りからアドバイスをもらうこともありました。確かに大事なことだと思うのですが、先を見据えすぎず、着実に1年1年、積み上げ、結果を残すチャレンジをしてきました。これからも1年ごとに成長させていきたいと考えています。

松澤さん:上のステージに上がれば上がるほど、サッカーの中身が問われると考えています。まだまだ指導者も含め伸び代があるので、指導者自身も成長していきたいと思っています。そういった意味では毎回のキャリアトレーニングに選手たちと一緒に参加し、指導者として新たな気づきを得られているので、ありがたいです。

キャリアトレーニングをもっと早い時期にスタートしてみたい

updraftに期待することはありますか?

松澤さん:今見えている子どもたちの変化は会話が増えてきているところで、今後選手や保護者にまだ見えていないトレーニングの効果についてヒアリングしていくことも必要だなと思っています。今年はまず導入1年目として子どもたちの変化を見守っていきたいです。

中学生年代はサッカーの中身を指導するよりも、その手前に意識をどう外側に向かせることができるかという事が重要だと考えています。意識の変化には時間が必要だと思うので、今回は3年生の6月スタートでしたが、今の2年生にはもう少し早くからスタートして彼らの進路選択への意識やサッカーへの意識、コミュニケーションのとり方がどのように変化するのか、というのも見てみたいですね。

選手たちの前向きな変化を聞けて、とても嬉しかったです。これからも精一杯サポートさせていただきます!本日はありがとうございました!

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