【updraft×早稲田大学米式蹴球部】社会で活躍してこそ真の日本一、アメフトの先を見据えたキャリアトレーニングの真髄

updraftでは、2021年8月より早稲田大学米式蹴球部に向けてキャリア・チームビルディングトレーニングを提供しています。今回、早稲田大学米式蹴球部 BIGBEARS髙岡勝監督に、チームを指導される上で大切にされていること、updraftのトレーニング導入後の選手たちの変化について話を伺いました。


updraft キャリアトレーニングについて

アスリートキャリアトレーニング事業「updraft」(https://updraft-sports.jp/)において、早期に自主自律型人材を育成することを目指し、小学生〜大学生年代向けにキャリアトレーニングを実施。同部では、部活動を通じて、部員自身が自分で自分のことを深く理解し社会で活躍する人財になってほしい、そして、「結果を出す」という過程を通じて、自分自身の強み・弱み・特性を理解し、自分自身で意思決定できる人生を歩んでほしいという願いをこめて、キャリアトレーニング・チームビルディングトレーニングを実施しています。 ※1:行動変革を促進し、人と組織の力を引き出すことを目的に開発された心理アセスメント。スポーツ庁委託事業「アスリートキャリアコーディネーター育成プログラム」に採用された。updraft(TOiRO)と事業提携し、キャリアトレーニングツールとして今注目を集めている。

ビノベーションレポート受検結果例

Profile

早稲田大学米式蹴球部 BIGBEARS 監督
髙岡 勝

静岡聖光学院高出身。早稲田大学に進学後、高校まで続けたラグビーからアメリカンフットボールに転身。同大学米式蹴球部に所属。大学卒業後は社会人実業団に所属し仕事と両立をしながら選手兼コーチを務めた。現役引退後はプロセーラーとして、ヨットのアメリカズカップに挑戦。(1999年〜2000年にルイ・ヴィトンカップにニッポンチャレンジクルーとして参加)その後、2003年、早稲田大学米式蹴球部にポジションコーチやオペレーション部門コーチとして就任。学生チーム、企業チーム、プロスポーツ選手の経験を土台に選手スタッフの指導、育成に携わってきた。その傍ら、小学生のフラッグフットボールのコーチとしてもチームを指導。小学生・大学生・社会人への指導経験を持つ。2017年に同部監督に就任し、組織力のあるチームの土台づくりに取り組み、4シーズンで2度甲子園ボウルに導いた。


社会でも役立つ物事の考え方を身につけてほしい

本日はお忙しい中、お時間をいただきありがとうございます!まずはじめに、選手の指導において大切にされていることをお伺いできますでしょうか。

髙岡監督:日本のスポーツ界の中でプロスポーツ選手、競技だけで生きていける人はかなり少なく、特にアメフトで将来生きていけるという人(プロ)は数%しかいません。

ですので、部員たちが、BIGBEARSの4年間を経て一般社会に出た時に、物事を進めるための多角的な考え方や論理的な考え方についてよく話をします。

一例としては、選手にはよく「ルーティン」と呼んでいるのですが、プレーをする前に自分が何をすべきなのかを順序だてて考え、最良な一歩を出しなさいと伝えています。自分の考えが常に正しい一歩を出せるように、順番にチェックポイントを踏むという思考をプレーヤーにもそうですし、スタッフにも仕事を進めるうえで重要だと常々伝えています。

ロジカルな思考回路で物事を考えることの重要性を感じられたのは、どのような経験からでしょうか。

髙岡監督:私が社会人選手としてプレーしていたときに久保田薫監督に指導を受けたことがきっかけです。久保田監督には、企業人として選手としてまたコーチとしての役割や所作を教えていただきました。この時期に自分自身のプレーヤーとしての成長を一番感じることができました。

当時私は、オフェンスラインというポジションで、出来て当たり前、エラーをすると目立つポジションでした。監督の指導の元、どうやったらミスをせず試合を進めることができるか、敵の動きをロジカルに分析し、ミスをしないプレーを導き出せるように思考トレーニングを日々行うことで、強い相手に対してもエラーを少なくすることに成功しました。

また、社会に出てもなぜなぜを繰り返し改善していくこと、ロジカルに突き詰めていくことを仕事で行なってきて、それはアメフトでの考え方も通ずるものがあると思いました。 考えることの重要性を再認識し、個別面談や練習後など指導の場で選手たちの考え方を聞いたり、選手たちに伝えたりしています。

選手とのコミュニケーションにおいて意識されていることや工夫されていることがあれば教えてください。

髙岡監督:できるだけ選手たちとのコミュニケーション頻度を多くして、チームの状況を知ることに努めています。選手たちの顔つきや雰囲気からチーム状況が分かることもありますし、過保護なのかもしれないですが、気になった選手やスタッフには積極的にフォローを行うことを心がけていますね。

平日は企業での仕事もあるため、監督を始めてすぐは週末のみ指導していたのですが、それではコミュニケーションが足りないと思い、今では平日の夜でも仕事終わりにグラウンドにかけつけ、指導をしています。

スポーツ経験と今後のキャリアイメージを接続する機会が少ないことに課題を感じていた

今回、選手・スタッフの指導にupdraftのトレーニングを取り入れようと思われたのは、どういった経緯があったのでしょうか。

髙岡監督:ビノベーション®レポート開発者の前川明海さんにupdraftのトレーニングについて教えていただいたのがきっかけです。

前川さんとの出会いは偶然で、監督に就任したばかりの頃、これからどうやってチーム作りをしていこうかと考えていた時でした。部員一人一人の資質を知ることができ、行動分析も可能なツールとして、ビノベーション®︎レポートの前進のツールを教えていただき、面白いなと思いました。

今ではお互いが個々の特性を認め合い、監督・コーチと部員間での指導や、先輩から後輩へ指導する際にもレポートを活用しています。

そして、今私が一番課題に感じていることはスポーツとキャリアを接続する機会が少ないことです。就職の概念が変わってきている今、部員だけでなく我々指導者も意識改革が必要です。選手が将来のビジョンや自分のキャリアに向き合い、就職活動や卒業後の進路を効率的に行っていけるようにしていきたいという背景からupdraftのトレーニングを導入することに決めました。

第1回キャリアトレーニングの様子

選手たちが「自分のこと」「キャリアのこと」について考え始めた

updraftのキャリア・チームビルディングのトレーニングを開始して、約1ヶ月ですが、チームに変化はありましたか?

髙岡監督:updraftのトレーニングを通じて、今まで「自分」についてあまり考えなかった部員たちが自分のことやキャリアのことを考え出したのが変化だと思っています。キャリアトレーニングを続けることで、思考が変わり、競技にもいい影響をもたらしてくれるのではないかと考えています。

誰にでもできることを、誰よりも当たり前にできるチームになる

最後に、髙岡監督が今後目指していることについてお聞かせいただけますでしょうか。

髙岡監督:選手たちがBIGBEARSの4年間を経て、社会に出たときに役立つ人財に育っていってほしいと思っています。そのためにもチームの文化づくりを行なっています。

「日本一になる」という目標を掲げていますが、そこにどうアプローチして自分のやるべきことをやり切れるか「誰にでもできることを誰よりも当たり前にすること」がとても大切なことだと考えています。

自分を信じてやると決めたことに突き進む、時にはそれが正しいのか人の意見を聞き取捨選択する必要もあります。選手たちには今後、目的・目標の為に自分を持つこと、人間として幅広い柔軟性を持つことを4年間で学んでほしいと思います。そして後輩に伝え還元していく、そんな文化を醸成していきたいです。

チームの一員として、キャリアトレーニングの領域を担ってほしい

今後、updraftに期待することはありますか?

髙岡監督:updraftの皆さんには、キャリア教育においての専門集団として、あらゆる面で部員たちをサポートしてもらいたいと思っています。

アメリカでは、授業や部活動、進路等の相談ができるカウンセラーがチームに存在します。

皆さんには、このポジションをチームの一員として担っていただきたいです。

私や、コーチ陣には言えない不安や、悩みも当然あると思います。人に相談をすることで、新しい価値観に触れ人間的な深みもついてくると考えています。

髙岡監督ありがとうございました!BIGBEARSの一員として競技とキャリアの接続ができるよう、これからも全力でサポートさせていただきます。

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